ドラム初心者のためのスタートガイド

初心者のためのドラムスタートガイドの画像

#ドラム #ドラム初心者 #ドラム始め方

この記事ではこれからドラムを始めようと考えている方、または始めたばかりの初心者の方に向けて、ドラムの魅力から基本的な知識、叩く練習をはじめる前の準備、正しいリズム感を身につける練習方法など、ドラムを始める際に必要な情報を紹介していきます。

それでは、各項目について詳しく見ていきましょう!

目次

ドラムはバンド演奏において重要な役割を果たす楽器です。音楽の三大要素(リズム・音程・ハーモニー)のリズムを主に演奏し曲の骨組みを作り上げると共に、楽曲にスピード感やグルーヴを与える楽器でもあります。

そういった面からドラムは縁の下の力持ちと表現されますが、時には華やかなソロやフィルインでバンドの中で主役になることもできる多彩な面を持つ楽器です。そんなドラムには以下のような魅力があります。

  • 全身を使って演奏する爽快感
  • バンドの要としての存在感
  • リズムを支配するパワー感
  • バンドで演奏する達成感
  • 様々なジャンルの音楽に対応できる応用力
  • 演奏技術の向上にともなう表現力の広がり

ドラムを始めた当初は基本的な8ビート(エイト ビート)を演奏できるようになることが最初の目標となります。そこから徐々にリズム感やテクニックを磨き、自分の音楽性を表現できるようになっていくのがドラム演奏の醍醐味です。

ドラムセットは複数のドラム(太鼓)やシンバルで構成されています。基本的な構成を理解することで、どの楽器がどの位置にあるのか演奏時のイメージがつかみやすくなります。

シンバル類

ハイハット
2枚のシンバルを重ねたものでハイハット専用のスタンドに取り付けます。足でペダルを操作し開閉させ音色を変化させることができます。主にリズムパターンの中に組み込んで細かなリズムを演奏するのに使用されます。

ライドシンバル
ハイハットと同様に主にリズムを刻むために使用される大きなシンバルです。

クラッシュシンバル
アクセントをつけるために使用するシンバルです。基本的なセッティングでは左右に1枚ずつ配置されます。

ドラム類

バスドラム
低音を担当する大きなドラムで足で踏むペダルを介して演奏します。

スネアドラム
ドラム演奏の要となる重要な楽器です。鋭い音が特徴でリズムパターンにアクセントをつける役割を果たします。

タム
メロディックな音色のドラムで、一般的にはバスドラムの上に配置するタム、床からフロアタムレッグを介して配置するフロアタムがあります。

ドラムセットの画像

これらの楽器を適切に配置し、演奏しやすいようにセッティングすることが重要です。初心者の方はまずはスタンダードなセッティングから始め、徐々に自分の好みや演奏スタイルに合わせて調整していくのがオススメです。

ドラムを始める際に最低限必要なアイテムがいくつかあります。効果的な練習にも繋がりますので揃えておきたいアイテムです。

必要なアイテム

スティック
初めてのスティックには握りやすさと耐久性のバランスが良い「5A」サイズの「ヒッコリー」製がオススメです。
※スティックについてはこちらの記事に詳しくまとめています。“ドラムスティック 初心者必見の種類と選び方ガイド”

練習パッド
自宅での練習に使用し、スティックコントロールの向上に役立つアイテムです。打面の種類によって打感や消音性が異なります。

メトロノーム
正確なリズム感を養うために必須なのがメトロノーム。スマホアプリでも十分使えます。

あると良いアイテム

スローン(ドラム椅子)
練習台と椅子の適切な高さ調整に必要です。正しいフォームで練習する為に椅子の高さ調節は大事なポイントになります。

キックペダルとペダル練習用パッド
キックペダルはバスドラムを演奏する為の重要なアイテムで、様々なタイプがありますが最初は標準的なものを選ぶのがオススメです。フットワークの練習にはペダル用練習パッドが必要です。

電子ドラム
ドラムサウンドをヘッドフォンやスピーカーで聴いて演奏できるので、音量調整が可能で自宅練習に向いています。様々な電子ドラムがありますが有名メーカーの電子ドラムが安心できます。

これらのアイテムを揃えることで基本的な練習環境が整います。ここには紹介していませんが生ドラムは音が大きいため自宅での練習には向いていません。そのため初心者の多くの方は練習パッドか電子ドラムから始めることが多いです。

よい演奏には正しい姿勢とフォームが不可欠です。これらを最初から身につけることで効率的な練習と上達に繋がります。また、姿勢やフォームが崩れていると良いサウンドが得られないだけでなく、腰が痛くなるなどの影響が出ることもありますので、とても大事なポイントです。

座り方

1.ドラム椅子(スローン)の前半分に腰掛ける

2.足を床にしっかりとつけて体を支える(背伸びをした時の足先の位置)

3.太ももが床と並行になるように椅子の高さを調整

4.猫背にならないよう背筋を伸ばしたまま軽く前傾姿勢

スティックの持ち方

1.親指の腹と人差し指の第一関節でスティックを軽く挟む

2.親指の爪の中心点とスティックの中心ラインが重なるようにする

3.残りの指を軽く添える

4.親指の側面と人差し指の間に隙間ができるようにする

5.スティックは強く握り込まない

スティックの振り方

1.肘と手首を使って振る

2.ボールを投げる動きを意識する

3.リバウンドを活かす

キックペダルの踏み方

ヒールアップ:ペダルからかかとを浮かせて踏む(パワフルな音が出せる)

ヒールダウン:かかとをペダルにつけて踏む(繊細なコントロールをしたい時)

正しい姿勢とフォームを身につけることで良いサウンドを出せるようになり、長時間の練習でも疲れにくく、より効果的に上達することができます。

基本的な練習方法は以下のようなものがあります。これらを日々の練習に取り入れて継続的に行うことで着実にスキルアップできます。

シングルストローク

基本動作の習得と速いテンポで演奏できるようにするための練習です。右手、左手を交互に叩くシングルストロークでは両手の動きが同じになるよう意識します。4分音符、8分音譜、16分音符で練習を行います。

チェンジアップ・ダウン

様々な音符を使い分けたり、一定のテンポをキープできるようにするための練習です。メトロノームを使い4分音符、8分音符、3連符、16分音符を切り替えて叩きます。慣れてくると切り替えのタイミングを短くしたり、より複雑な音譜を追加していきます。

手足のコンビネーション

手足の独立性を高めてドラムを自由に演奏できるようにするための練習です。8分音符や16分音符を手と足に振り分けて叩いたり、足は一定の音符をキープしながら手で様々な音符を切り替えるなど、様々な練習方法があります。

リズムパターン

気持ちいいビートを叩くための練習です。ハイハット、スネア、バスドラムでリズムを作ります。最初はポピュラー音楽の基本となる8ビート(エイトビート)から始めます。

ルーディメント

スティックコントロールの向上と表現力を高める練習です。4種類の基本ストロークやシングルパラディドルなどから取り組んでいきます。

メトロノーム練習

それぞれの練習にメトロノームを使用します。フレーズを理解する時やまだ慣れていない段階ではメトロノームは不要で、習得時に使うのが効果的です。

これらの基本練習をコツコツ続けることが上達の近道です。まずは正確なリズム感を養うことに重点を置いて練習しましょう。

基本的な練習に慣れてきたら上達するためのポイントに意識を向けてみましょう。同じリズムパターンやフレーズを演奏した時にかっこよく聞こえるコツをご紹介します。

音量バランス

人の耳は低音を安定した音として認識する特性があります。その特性に合わせて、リズムパターンを演奏する際は高音域のハイハット、中音域のスネア、低音域のバスドラムの音量バランスを整えます。低音はしっかりと音量を出し、高音は音量が大きくなり過ぎないように意識します。

音量が大きい方から低音>中音>高音とバランスが整うとアクセントが明確でメリハリの効いた引き締まったリズムパターンが表現できます。逆に高音のハイハットの音量が大きく、低音のバスドラムが小さくなると「なんだかカッコ悪いドラム」に聴こえてしまいやすいので、音量バランスには特に重要なポイントです。

音量コントロール

大きい音だけでなく小さい音も綺麗に発音しコントロールできるようにしましょう。自由に音量をコントロールできるようになれば、演奏の表現力が圧倒的に広がります。

発音タイミング

ドラムにはシンバルとタイコがあり、サイズもバラバラです。素材やサイズが違えばアタックしてから発音するまでのタイミングも微妙に異なります。それぞれの楽器の発音タイミングを揃えることでリズムが明確になり、クリアでまとまりのあるサウンドになります。同時に「叩く」のではなく、同時に「鳴らす」という意識を持って演奏するのがポイントです。

フィルイン

ファイルインとは曲中の区切りや転換点で入れる短いフレーズです。リズムパターンと合わせてドラム演奏の重要な要素となり、曲の中には様々なフィルインが登場します。練習では基本的なフレーズから始めて徐々に応用していきます。

多くのドラマーが直面する問題が自宅での練習環境です。生ドラムは音が大きいためしっかりとした防音設備がないと自宅練習は難しいでしょう。しかし、以下のような方法では自宅でも効果的な練習が可能です。

電子ドラムの活用

音量調整が出来、ヘッドフォンでの練習も可能です。消音効果のかなり高いモデルもあるので自宅の環境によって選べるのが電子ドラムの良い点です。消音効果が高いとはいえある程度の打撃音や振動は発生します。電子ドラムの振動対策用品も販売されていますので、組み合わせて利用する方も多いです。ドラム初心者の大きな課題であるドラムセットのチューニング(音合わせ)が不要なのも大きなメリットと言えるでしょう。

練習パッドの使用

スティックコントロールの練習に専念できて、電子ドラムよりも省スペースです。消音効果の高い練習パッドを使用すれば静かに練習できます。打面の素材によってリバウンド感や音量が大きく変わります。消音効果が高い代わりにリバウンドがほぼ無い練習パッドがありますが、リバウンドはスティックコントロールの大事な要素ですので、初心者の方にはリバウンドのある練習パッドがオススメです。

メトロノームの活用

初心者の頃はストローク、チェンジアップ・ダウン、ルーディメントなどの基礎練習は、練習パッドを使用する方がサウンドが聞き取りやすいでしょう。基礎練習時にメトロノームを活用することで同時に正確なリズム感も養えます。

イメージトレーニング

曲を聴きながら頭の中でドラムを叩いているイメージを思い浮かべるトレーニングです。実際にドラム演奏する際にイメージを具現化しやすくなります。

曲や演奏分析

イヤフォンやヘッドフォンで集中して曲を聴き、ドラムがどんな演奏をしているのか、他の楽器はどんな演奏をしているのか聴き分ける癖をつけることで音楽の理解が深まります。音楽全体の理解が深まればドラム演奏する際にも必ず役に立ちます。

自宅での練習は基本的なテクニックの向上や体力づくりにとても有効です。ただし、ドラムセットや電子ドラムセットの練習も定期的に行うことが重要です。

独学でドラムの練習を進めることも可能ですが、特に初心者の方はドラム教室でレッスンを受けることをオススメします。ドラム教室でレッスンを受けるメリットには以下のようなものがあります。

1.正しい基礎を学べる
・プロの講師から自分に合った正しいフォームや技術を学べる
・体格によって最適なセッティングフォーム、ペダルの踏む位置が異なる
・悪い癖がついて修正するのに大変な思いをしなくて済む

2.効率的な上達
・自分のレベルに合わせて適切なカリキュラムで効率よく習得できる
・無駄な回り道を避けられる
・プロの講師だからこそ知っている練習のコツを教えてもらえる

3.音楽理論の習得
・リズム理論や楽譜の読み方など、総合的な音楽知識を得られる
・基礎から応用まで体系的に理解できるので音楽や技術を発展させる能力が身に付く

4.感性を広げられる
・プロの演奏を間近で聴き、感じることで音楽的感性が養われる
・「なぜかっこよく聴こえるのか」の理由がわかる

5.本格的な機材での練習
・自宅に置けないドラムセット、音響機材で練習できる
・思い切り体を動かして大きな音で演奏できるので、ドラムを叩いている実感や爽快感を得られる

6.モチベーションの維持
・定期的なレッスンで着実に上達しているのを実感でき、モチベーションを維持しやすい
・行き詰まっても解決策を示してくれるので、できないから諦めるということに陥らない

7.アンサンブル体験
・他の楽器と一緒に演奏する機会がある
・バンド演奏の楽しさと、バンド演奏時のコツを学べる


ドラム教室を開講している音楽教室では自分のペースで着実にスキルアップできる環境が整っています。特に初心者の方は自分が行っている練習方法が正しいかどうかの判断が難しいと感じる方もおられると思います。

初心者の頃こそ教室に通ってプロのレッスンを受けることで大きな成長が期待できます。練習していると壁に当たることもありますが、上手くいかない理由は人それぞれ違います。プロ講師の視点でその原因を分析し、最適な解決策で次のステップに進めるようになるのがレッスンを受ける大きなメリットです。

「ソラミュージックサロン」ではドラム教室を開講しています。生徒様の目標や興味のあることを主軸にレッスンカリキュラムを組み立て、生徒様の想いを汲み取り大事にしレッスンを進めて参りますので、楽しみながら着実に上達して頂けます。ドラムの楽しさが実感できるソラミュージックサロンの無料体験レッスンをぜひご検討してみてください。

ここでは初心者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

何歳から始められますか?

ドラム椅子に安定して座れることと、スティックを持つ握力が必要ですので小学生低学年くらいからが推奨ですが、4歳や5歳から受講されている方もおられます。お子様用の短くて軽いスティックや、ペダルに足が届かない場合に使う用品がありますのでお気軽にご相談ください。

リズム感が無くてもできますか?

リズムの取り方が理解できればどなたでもドラムは叩けます。また、レッスンでドラムを叩くことでリズム感が養われます。これまで25年以上レッスンを行っていますが、本当の意味でリズム感を持っておられない方は1,000人のうち1人おられるかどうかという割合です。リズム感が無いと思ってらっしゃる方のほとんどがリズムの正しい取り方を知らないだけで、リズムの取り方さえわかれば何ら問題なくドラムを叩くことができます。また、リズム感がない方でもイチからリズムの概念を学ぶことでリズムは取れるようになりますのでご安心ください。

音楽経験がなくても始められますか?

はい、もちろん始めて頂けます。音楽経験がない方にはむしろ、ドラムは始めやすい楽器です。手足をバラバラに動かすのが難しそうとイメージされる方が多いですが、覚えやすい方法がありますのでご安心ください。

曲を演奏できるようになるにはどれくらいの練習時間がかかりますか?

曲の難易度やその方の習得速度にもよりますが、レッスンを受講しながら毎日1時間程度の自己練習をして1~2ヶ月ほどで曲が演奏できることが多いです。

自宅練習用に電子ドラムは揃えた方が良いですか?

電子ドラムがあれば効果的な自宅練習ができます。生ドラムに比べて圧倒的に音も振動も少ないですが、叩く音や振動は発生しますので住環境に合わせて設置しても問題ないか、事前の検討が必要です。

ドラムは思いっきり体を使って迫力あるサウンドに埋もれる爽快感と、様々なリズムを表現する演奏の楽しさを味わえる魅力的な楽器です。ドラムを存分に楽しむために初心者の方は以下の点に注目して練習を進めることをオススメします。

ドラム初心者が練習時に注目すべき点

  • 正しい姿勢とフォームを身につける
  • 基本的な音符やリズムパターンをしっかり練習する
  • メトロノームを使って正確なテンポ感を養う
  • 音楽を集中して聴きこむ
  • できれば音楽教室でプロの講師のレッスンを受ける
  • 少しずつでも毎日スティックを触る(練習する)

始めは難しく感じることもあるかもしれませんが、正しい方法で継続的に練習すれば必ず上達していきますので、ドラムと音楽を演奏する楽しさを存分に味わってみてくださいね。

「ソラミュージックサロン」ではドラム教室を開講しています。ドラムの楽しさを実感できる無料体験レッスンのご受講をぜひ検討してみてくださいね。

この記事を書いた講師

野口 浩伸
幼少からピアノを始め、中学時にバンドでドラムを演奏したこときっかけに高校でもバンド活動を続ける。音楽専門学校へ入学し専門的な知識と技術を学びながら在学中に様々なジャンルの音楽に魅了されバンドのみならずサポートドラマーとしての活動も始める。卒業後と同時にプロ活動を開始、並行して音楽教室や専門学校、私立高等学校などでドラムレッスンを開始する。演奏活動の広がりに伴いパーカッショニストとしても演奏やレッスンを行う。自身のバンドやアーティストサポートではライブハウスからドームまで多くのステージを経験。レコーディングやPro Tools新製品デモンストレーションのプレーヤーを担当するなど、あらゆる音楽現場で得た知見をレッスンに活かしている。


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