ドラムスティック 初心者必見の種類と選び方ガイド

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ドラムを演奏する上でどんなスティックを選ぶかは非常に重要です。自分に合わないスティックを使っていると思うように演奏ができなかったり、必要以上に力をかけて叩いてしまったり、出したい音色が出せない場合さえあります。

どんなスティックが自分に合うのか判断が難しいと感じる方もおられるでしょう。色んなスティックを試して自分に合うものを選んでいくドラマーが多いですが、初めてのスティックに何を選ぶかは重要ですので、ここでは初心者の方向けに基本的なスティックの種類から選び方をご紹介します。

目次
  • スティックの基礎知識
  • チップの形状
  • チップの素材
  • ショルダー
  • シャフト
  • グリップ&グリップエンド
  • 材質による違い
  • 太さと長さによる違い
  • スティックのメーカー3選
  • まとめ

スティックはシンプルな形状をしていますが、実は細かな部分まで緻密に設計されています。基本的な構造を理解することで各部の役割や演奏にどう係わってくるかイメージしやすくなり、選ぶ際の判断材料となります。

ドラムスティックの各名称

スティックはチップ、ショルダー、シャフト、グリップ、グリップエンドにわかれています。各部にはそれぞれ役割りがあり、演奏や音色に大きく係わってきます。

チップとはドラムを叩く際に主に当てる部分になります。(シンバル類を叩く際にはショルダーを使ったりもします)
形状によって音色やリバウンドが変わりますので、それぞれの違いをみていきましょう。

1:チップレス 2:俵型 3:卵型 4:丸型 5:円錐型
※チップの呼び方はメーカーにより異なる場合があります

1.チップレス
重く激しい音色でパワー系のプレイに特化したモデル。チップが無いのでハイハットやライドシンバルの音を繊細に表現しにくい。

2.俵型
少し四角目の形状。丸型と近く音色が安定しやすい。丸型よりも音量が出やすいので、コントロールと音量のバランスがとりやすいチップ形状。

3.卵型
叩く角度により音色を変えることができる。その分コントロール力が必要になるが、円錐型よりもコントロールしやすい。

4.丸型
どの角度で叩いても接地面積が一定になるので音が揃いやすい。チップが小さいので音量が小さめではあるが、ハイハットやライドシンバルの音が大きくなり過ぎない点はメリットと言える。

5.円錐型
角度により接地面積が大きく変わるので、叩く角度で音色を変えることができる。表現力が高い分、コントロールする力が必要

チップには素材違いでウッドチップとナイロンチップがあります。

・ウッドチップ
スティックと同じ素材で多くのスティックがウッドチップを採用している。叩いた際の感触やコントロールがしやすい。ナイロンチップに比べると耐久性に劣るが、ナチュラルなサウンドで大半のドラマーがウッドチップのスティックを使用している。ウッドチップでもスティックの素材により音色が異なる。

・ナイロンチップ
ウッドチップに硬質なナイロンを被せたチップ。ウッドチップと比べると耐久性に優れる。大きく硬質なサウンドが出しやすいためハードな音楽で使用したり、シンバルではっきりした音を出す際にも使用されることがある。幅広いサウンドを表現するにはコントロール力が必要。

ドラム初心者におすすめのチップは?

「ウッドチップの俵型または丸形」が初心者の方にはおすすめです。その理由はそれぞれの特徴に記載している通りですが、もうひとつ理由があります。

俵型と丸型は叩いた際にチップの当たる面が安定しているため音色が安定しやすいと共に、リバウンドも安定しやすくなります。スティックのリバウンドの安定はストロークの安定にも繋がりますので、初心者の方には俵型または丸型のチップがおすすめです。

スティックのショルダーとはチップとシャフトをつなぐだんだん細くなっていく部分で、主にクラッシュシンバルを叩く際に使用しますが、ハイハットやライドでも使用する場合があります。細くなる角度や長さでスティックの重心に影響を与えます。

スティックのショルダーの画像

・ショート
細くなっていく部分が短く重心が先端に寄る。そのためストロークが重くなりパワーや音量を出しやすくなる。パワーが出る分、リバウンドが強めになる。

・ミディアム
ショートとロングの中間であり一般的。振り心地にクセがなくバランスが良い。

・ロング
重心が後方に寄るためストロークが軽くなり、スティックの先端を繊細にコントロールしやすくなる。反面、パワーが乗りにくい。

スティックの中心部で太さ表記はシャフトの直径を指します。オープンリムショットではリムに当てる部分です。
太さは大まかに以下に分類できます。

・約13mm~14mm
細め。細いので重量が軽い。軽めのサウンドで繊細な音が出しやすい。小さい音で演奏する環境に向いている。

・14.5mm前後
標準。オールラウンドに対応できる。クセがなくストロークやドラムセット全体への移動もスムーズに行いやすい。

・約15mm以上
太め。重くなるのでパワーが出しやすく、サウンドも太く荒くなりやすい。大音量を出したい場合に向いている。重い分、アタック後のリバウンドが強くなり、コントロールのしやすさはドラマーの体格が影響する場合もある。

手で握る部分で、どの位置を握るかで振り心地が変わります。曲により持つ位置を変えてストロークのしやすさをコントロールすることも可能です。一般的にはスティックを3等分し、下から1/3の部分に親指の位置を持ってくると言われることが多いですが、ドラマーの手のサイズにより異なります。

欧米人に比べて手の小さい日本人は1/3より少しグリップエンド側に寄せた位置を持つとバランスが良くなることも多いです。

1.ヒッコリー
・クルミ科に属する木でドラムスティックの材質で最も一般的
・衝撃や曲げ強くバットやスキー板にも使用されるほど耐久性がある
・初心者におすすめ

2.メイプル
・ヒッコリーより軽量で音色も軽く明るめ
・軽いので繊細なタッチが行いやすい
・突然折れることもある
・パワーヒッターには向いていない

3.オーク
・ヒッコリーより重く、音質も固め
・重いのでパワフルな音が出しやすい
・ロック系で使用されるケースが多い
・ヒッコリーに比べてしならないので限界を超えると突然折れる場合も

4.合成素材
・耐久性が非常に高い
・湿気の影響を受けにくく一定の品質を保ちやすい
・独特な打感やリバウンド感がある

ヒッコリーメイプルオーク合成素材
音色癖がなく
扱いやすい
軽い
明るい
重い
暗い
硬い
※素材で異なる
折れやすさささくれ立つが
折れにくい
折れやすい限界を超えると
一気に折れる
折れにくい
(折れない)
硬さ程よい硬さやわらかい硬い非常に硬い
ジャンルオールジャンルジャズ
アコースティック
ロックロック
メタル
注意点特になし折れやすいので
予備が多めに必要
硬いので
手首を痛めやすい
特に
手首を痛めやすい
スティックの材質による違いのまとめ

ドラムスティックの太さや長さは多種多様です。ショルダーの形状で重心感はかわってくるものの、スティックそのものの太さと長さがもっとも振り心地に影響を与えると言ってよいでしょう。メーカーにより表記方法は様々ですが「数字+アルファベット」で表記されていることが多いです。

規格長さ太さ
5A390~410mm14~15mm
5B390~440mm約15mm以上
7A350~410mm13~14mm
代表的なスティックのサイズ

5Aが一般的なサイズです。5Aより長く太い5Bは力強い音を出せますが、重くなってしまうのでかなり体格が大きい方以外はおすすめではありません。一方で5Aより細く短い7Aは繊細な表現がしやすくなりますが、パワー感では劣る面もあります。ただし女性や小柄な方には7Aが向いている場合もあります。

まずは楽器店で5Aと7Aのスティックを持ち比べ、振り心地も含めて長さや太さなど持った印象を比較するのが良いでしょう。なんとなくの感覚で「こっちの方がしっくり来るかな?」というサイズを選べばよいのですが、迷う場合は両方購入して使い分けてみるのもおすすめです。スティックは消耗品なので5Aと7Aを1セットずつ購入しておけば、スティックの違いを知ることもできますし折れた時の予備にもなります。

ドラムスティックのメーカーは沢山ありますが、手に入りやすい代表的なメーカーを3つ紹介します。

・Pearl(パール)
・VIC FIRTH(ヴィック ファース)
・Zildjian(ジルジャン)

前述の5Aや7Aというサイズ表記はメーカーによって異なります。

メーカー5A相当のモデル7A相当のモデル
Pearl110HC103HC
VIC FIRTHVIC-5AVIC-7A
Zildjian5A WOOD(チップが卵型)7A WOOD
スティックメーカーによるモデル名の違い

Pearlは日本を代表するドラムメーカーでスティックも販売しており、VIC FIRTHやZildjianなどの海外メーカーに比べて安価で販売されていることが多いです。品質も安定しているのでスティック選びの選択肢としておすすめのメーカーの一つです。

ドラム初心者におすすめのスティックは?

・チップはウッドチップの俵型または丸型
・材質はヒッコリー
・サイズは5A(Peralは110HC)、体格が小柄な方は7A(Peralは103HC)
・手に入りやすいメーカはPearl、VIC FIRTH、Zildjianが代表格。なかでもPearlは品質が安定していて安価

ドラムはスティックを介して演奏しますので、自分に合ったスティックを見つけることは演奏力向上につながってきます。初心者の方にはまずはスタンダードなスティックから使い始め、慣れてくれば違うモデルも試しながら自分に合うスティックとの出会いを楽しんでみてくださいね。

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この記事を書いた講師

野口 浩伸
幼少からピアノを始め、中学時にバンドでドラムを演奏したこときっかけに高校でもバンド活動を続ける。音楽専門学校へ入学し専門的な知識と技術を学びながら在学中に様々なジャンルの音楽に魅了されバンドのみならずサポートドラマーとしての活動も始める。卒業後と同時にプロ活動を開始、並行して音楽教室や専門学校、私立高等学校などでドラムレッスンを開始する。演奏活動の広がりに伴いパーカッショニストとしても演奏やレッスンを行う。自身のバンドやアーティストサポートではライブハウスからドームまで多くのステージを経験。レコーディングやPro Tools新製品デモンストレーションのプレーヤーを担当するなど、あらゆる音楽現場で得た知見をレッスンに活かしている。




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