ドラム初心者のためのスタートガイド
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この記事ではこれからドラムを始めようと考えている方、または始めたばかりの初心者の方に向けて、ドラムの魅力から基本的な知識、叩く練習をはじめる前の準備、正しいリズム感を身につける練習方法など、ドラムを始める際に必要な情報を紹介していきます。
目次
- ドラムの特徴や魅力
- ドラムセットの基本構成
- ドラム練習に必要なアイテム3つと、あると良いアイテム3つ
- 正しい姿勢とフォーム
- 基本的な練習方法
- 上達のためのワンポイント
- 自宅での練習方法
- ドラム教室でレッスンを受けるメリット
- よくある質問
- まとめ
それでは、各項目について詳しく見ていきましょう!
1.ドラムの特徴や魅力
ドラムはバンド演奏において重要な役割を果たす楽器です。音楽の三大要素(リズム・音程・ハーモニー)のリズムを主に演奏し曲の骨組みを作り上げると共に、楽曲にスピード感やグルーヴを与える楽器でもあります。
そういった面からドラムは縁の下の力持ちと表現されますが、時には華やかなソロやフィルインでバンドの中で主役になることもできる多彩な面を持つ楽器です。そんなドラムには以下のような魅力があります。
- 全身を使って演奏する爽快感
- バンドの要としての存在感
- リズムを支配するパワー感
- バンドで演奏する達成感
- 様々なジャンルの音楽に対応できる応用力
- 演奏技術の向上にともなう表現力の広がり
ドラムを始めた当初は基本的な8ビート(エイト ビート)を演奏できるようになることが最初の目標となります。そこから徐々にリズム感やテクニックを磨き、自分の音楽性を表現できるようになっていくのがドラム演奏の醍醐味です。
2.ドラムセットの基本構成
ドラムセットは複数のドラム(太鼓)やシンバルで構成されています。基本的な構成を理解することで、どの楽器がどの位置にあるのか演奏時のイメージがつかみやすくなります。
シンバル類
ハイハット
2枚のシンバルを重ねたもの。ハイハット専用のスタンドに取り付け、足でペダルを操作し開閉させ音色を変化させることができる。
ライドシンバル
リズムを刻むために使用する大きなシンバル。
クラッシュシンバル
アクセントをつけるために使用するシンバル。基本的なセッティングでは左右に1枚ずつ配置される。
ドラム類
バスドラム
低音を担当する大きなドラム。足で踏むペダルを介して演奏する。
スネアドラム
ドラム演奏の要となる重要な楽器。鋭い音が特徴でリズムパターンにアクセントをつける。
タム
メロディックな音色のドラム。一般的にはバスドラムの上に配置するタム、床からフロアタムレッグを介して配置するフロアタムがある。
これらの楽器を適切に配置し、演奏しやすいようにセッティングすることが重要です。初心者の方はまずはスタンダードなセッティングから始め、徐々に自分の好みや演奏スタイルに合わせて調整していくのがオススメです。
3.ドラム練習に必要なアイテム3つと、あると良いアイテム3つ
ドラムを始める際に最低限必要なアイテムがいくつかあります。効果的な練習にも繋がりますので揃えておきたいアイテムです。
必要なアイテム
スティック
初めてのスティックには「5A」サイズの「ヒッコリー」製がオススメ。握りやすさと耐久性のバランスが良い。
練習パッド
自宅での練習に。スティックコントロールの向上に役立つ。打面の種類によって打感や消音性が異なる。
メトロノーム
正確なリズム感を養うために必須。スマホアプリでも十分使える。
あると良いアイテム
スローン(ドラム椅子)
練習台と椅子の適切な高さ調整に必要。正しいフォームで練習する為に椅子の高さ調節は大事なポイント。
キックペダルとペダル練習用パッド
キックペダルはバスドラムを演奏する為の重要なアイテムで、様々なタイプがあるが最初は標準的なものから始めるのがよい。フットワークの練習にはペダル用練習パッドが必要。
電子ドラム
ドラムサウンドをヘッドフォンやスピーカーで聴いて演奏できるので音量調整が可能。様々な電子ドラムがあるが、有名メーカーの電子ドラムが安心。
これらのアイテムを揃えることで基本的な練習環境が整います。ここには紹介していませんが生ドラムは音が大きいため自宅での練習には向いていません。そのため初心者の多くの方は練習パッドか電子ドラムから始めることが多いです。
4.正しい姿勢とフォーム
よい演奏には正しい姿勢とフォームが不可欠です。これらを最初から身につけることで効率的な練習と上達に繋がります。また、姿勢やフォームが崩れていると良いサウンドが得られないだけでなく、腰が痛くなるなどの影響が出ることもありますので、とても大事なポイントです。
座り方
1.ドラム椅子(スローン)の前半分に腰掛ける
2.足を床にしっかりとつけて体を支える(背伸びをした時の足先の位置)
3.太ももが床と並行になるように椅子の高さを調整
4.猫背にならないよう背筋を伸ばしたまま軽く前傾姿勢
スティックの持ち方
1.親指の腹と人差し指の第一関節でスティックを軽く挟む
2.親指の爪の中心点とスティックの中心ラインが重なるようにする
3.残りの指を軽く添える
4.親指の側面と人差し指の間に隙間ができるようにする
5.スティックは強く握り込まない
スティックの振り方
1.肘と手首を使って振る
2.ボールを投げる動きを意識する
3.リバウンドを活かす
キックペダルの踏み方
ヒールアップ:ペダルからかかとを浮かせて踏む(パワフルな音が出せる)
ヒールダウン:かかとをペダルにつけて踏む(繊細なコントロールをしたい時)
正しい姿勢とフォームを身につけることで良いサウンドを出せるようになり、長時間の練習でも疲れにくく、より効果的に上達することができます。
5.基本的な練習方法
基本的な練習方法は以下のようなものがあります。これらを日々の練習に取り入れて継続的に行うことで着実にスキルアップできます。
シングルストローク
基本動作の習得と速いテンポで演奏できるようにするための練習。右手、左手を交互に叩くストローク。右手と左手の動きが同じになるよう意識する。4分音符、8分音譜、16分音符で練習。
チェンジアップ・ダウン
様々な音符を使い分けたり、一定のテンポをキープできるようにするための練習。メトロノームを使い4分音符、8分音符、3連符、16分音符を切り替える。慣れてくると切り替えのタイミングを短くしたり、より複雑な音譜を追加していく。
手足のコンビネーション
手足の独立性を高めてドラムを自由に演奏できるようにするための練習。8分音符や16分音符を手と足に振り分けて叩いたり、足は一定の音符をキープしながら手で様々な音符を切り替えるなど。
リズムパターン
気持ちいいビートを叩くための練習。ハイハット、スネア、バスドラムでリズムを作る。最初はポピュラー音楽の基本となる8ビート(エイトビート)から始める。
ルーディメント
スティックコントロールの向上と表現力を高める練習。4種類の基本ストロークやシングルパラディドルなどから始める。
メトロノーム練習
それぞれの練習にメトロノームを使用する。(フレーズを理解する時やまだ慣れていない段階ではメトロノームは不要、習得時に使うのが効果的)
これらの基本練習をコツコツ続けることが上達の近道です。まずは正確なリズム感を養うことに重点を置いて練習しましょう。
6.上達のためのワンポイント
基本的な練習に慣れてきたら上達するためのポイントに意識を向けてみましょう。同じリズムパターンやフレーズを演奏した時にかっこよく聞こえるコツをご紹介します。
音量バランス
人の耳は低音を安定した音として認識する特性がある。その特性に合わせてリズムパターンを演奏する際は高音域のハイハット、中音域のスネア、低音域のバスドラムの音量バランスを整える。音量バランスが整うとアクセントが明確でメリハリの効いた引き締まったリズムパターンが表現できる。
音量コントロール
大きい音だけでなく小さい音も綺麗に発音しコントロールできるようにする。自由な音量コントロールが演奏の表現力を圧倒的に広げる。
発音タイミング
それぞれの楽器の発音タイミングをぴったり揃える。発音タイミングを揃えることでリズムが明確になり、クリアでまとまりのあるサウンドになる。
フィルイン
曲中の区切りや転換点で入れる短いフレーズ。リズムパターンと合わせてドラム演奏の重要な要素。練習では基本的なフレーズから始めて徐々に応用していく。
7.自宅での練習方法
多くのドラマーが直面する問題が自宅での練習環境です。生ドラムは音が大きいためしっかりとした防音設備がないと自宅練習は難しいでしょう。しかし、以下のような方法では自宅でも効果的な練習が可能です。
電子ドラムの活用
音量調整が可能でヘッドフォンでの練習も可能。消音効果のかなり高いモデルもあるので環境によって選べる。電子ドラムの振動対策用品も販売されている。ドラム初心者の大きな課題であるドラムセットのチューニング(音合わせ)が不要なのも大きなメリット。
練習パッドの使用
消音効果の高い練習パッドを使用すれば静かに練習できる。スティックコントロールの練習に専念できる。電子ドラムよりも省スペース。
メトロノームの活用
初心者の頃はストローク、チェンジアップ・ダウン、ルーディメントなどの基礎練習は、練習パッドを使用する方がサウンドが聞き取りやすいのでオススメ。基礎練習時にメトロノームを活用することで同時に正確なリズム感も養う。
イメージトレーニング
曲を聴きながら頭の中でドラムを叩いているイメージを思い浮かべる。実際にドラム演奏する際にイメージを具現化しやすい。
曲や演奏分析
イヤフォンやヘッドフォンで集中して曲を聴く。ドラムがどんな演奏をしているのか、他の楽器はどんな演奏をしているか、聴き分ける癖をつけることで音楽の理解が深まる。
自宅での練習は基本的なテクニックの向上や体力づくりにとても有効です。ただし、ドラムセットや電子ドラムセットの練習も定期的に行うことが重要です。
8.ドラム教室でレッスンを受けるメリット
独学でドラムの練習を進めることも可能ですが、特に初心者の方はドラム教室でレッスンを受けることをオススメします。ドラム教室でレッスンを受けるメリットには以下のようなものがあります。
1.正しい基礎を学べる
・プロの講師から自分に合った正しいフォームや技術を学べる
・体格によって最適なセッティングフォーム、ペダルの踏む位置が異なる
・悪い癖がついて修正するのに大変な思いをしなくて済む
2.効率的な上達
・自分のレベルに合わせて適切なカリキュラムで効率よく習得できる
・無駄な回り道を避けられる
・プロの講師だからこそ知っている練習のコツを教えてもらえる
3.音楽理論の習得
・リズム理論や楽譜の読み方など、総合的な音楽知識を得られる
・基礎から応用まで体系的に理解できるので音楽や技術を発展させる能力が身に付く
4.感性を広げられる
・プロの演奏を間近で聴き、感じることで音楽的感性が養われる
・「なぜかっこよく聴こえるのか」の理由がわかる
5.本格的な機材での練習
・自宅に置けないドラムセット、音響機材で練習できる
・思い切り体を動かして大きな音で演奏できるので、ドラムを叩いている実感や爽快感を得られる
6.モチベーションの維持
・定期的なレッスンで着実に上達しているのを実感でき、モチベーションを維持しやすい
・行き詰まっても解決策を示してくれるので、できないから諦めるということに陥らない
7.アンサンブル体験
・他の楽器と一緒に演奏する機会がある
・バンド演奏の楽しさと、バンド演奏時のコツを学べる
ドラム教室を開講している音楽教室では自分のペースで着実にスキルアップできる環境が整っています。特に初心者の方は自分が行っている練習方法が正しいかどうかの判断が難しいと感じる方もおられると思います。
初心者の頃こそ教室に通ってプロのレッスンを受けることで大きな成長が期待できます。練習していると壁に当たることもありますが、上手くいかない理由は人それぞれ違います。プロ講師の視点でその原因を分析し、最適な解決策で次のステップに進めるようになるのがレッスンを受ける大きなメリットです。
「ソラミュージックサロン」ではドラム教室を開講しています。生徒様の目標や興味のあることを主軸にレッスンカリキュラムを組み立て、生徒様の想いを汲み取り大事にしレッスンを進めて参りますので、楽しみながら着実に上達して頂けます。ドラムの楽しさが実感できるソラミュージックサロンの無料体験レッスンをぜひご検討してみてください。
9.よくある質問
ここでは初心者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
10.まとめ
ドラムは思いっきり体を使って迫力あるサウンドに埋もれる爽快感と、様々なリズムを表現する演奏の楽しさを味わえる魅力的な楽器です。ドラムを存分に楽しむために初心者の方は以下の点に注目して練習を進めることをオススメします。
- 正しい姿勢とフォームを身につける
- 基本的な音符やリズムパターンをしっかり練習する
- メトロノームを使って正確なテンポ感を養う
- 音楽を集中して聴きこむ
- できれば音楽教室でプロの講師のレッスンを受ける
- 少しずつでも毎日スティックを触る(練習する)
始めは難しく感じることもあるかもしれませんが、正しい方法で継続的に練習すれば必ず上達していきますので、ドラムと音楽を演奏する楽しさを存分に味わってみてくださいね。
「ソラミュージックサロン」ではドラム教室を開講しています。ドラムの楽しさを実感できる無料体験レッスンのご受講をぜひ検討してみてくださいね。
この記事を書いた講師
野口 浩伸
幼少からピアノを始め、中学時にバンドでドラムを演奏したこときっかけに高校でもバンド活動を続ける。音楽専門学校へ入学し専門的な知識と技術を学びながら在学中に様々なジャンルの音楽に魅了されバンドのみならずサポートドラマーとしての活動も始める。卒業後と同時にプロ活動を開始、並行して音楽教室や専門学校、私立高等学校などでドラムレッスンを開始する。演奏活動の広がりに伴いパーカッショニストとしても演奏やレッスンを行う。自身のバンドやアーティストサポートではライブハウスからドームまで多くのステージを経験。レコーディングやPro Tools新製品デモンストレーションのプレーヤーを担当するなど、あらゆる音楽現場で得た知見をレッスンに活かしている。